ロリータ

Sep 26, 2016 | Publisher: theramay0523 | Category: Other |   | Views: 7 | Likes: 2

ロリータ・ファッション ロリータ・ファッション (ロシア語: Мода Лолита) とは、日本独自のファッションを中心としたムー ブメントである[4]。少女のあどけないかわいらしさ、小悪魔的な美しさを表現したスタイルであり、 欧米文化[4]への憧れと想像力をエンジンに、懐古的でありながらも全く新しい日本独自の解釈 を加えた、ティーンを中心としたストリートファッション[5]である。日本だけではなく、諸外国からも 注目を集めている [4][5]。またはそれらを好み着用、または着用することを主義とした人の総称。 ロ リィタとも[6]。ロリータファッションは「大人の少女服」と形容されることもある[7]。 概要 ロリータファッションは東京や大阪などの日本の都市部で 2000年代に急増した、 過剰に華やかで、膨らんだスカートに象徴される少女的な���向のストリートファッショ ンのことであり、ひときわ目立ついでたちの為に、ストリートファッションの中でも特別 な存在感を持っている[8]。バロック、ロココ、ヴィクトリアンといった確実な歴史の記録 と、少女時代に憧れたお姫様の物語のイメージが混在しており、ロリータ衣装道楽[9] では「欧米とは宗教文化も生活様式も違う日本だからこそ、リアルとフィクションをな い混ぜにして、自由なスタイルを編み出すことができた」としている。 ロリータファッションは本来、自分本位なものであり、女性のおしゃれの基準は、男性 の評価によるところが大きいという見方もあるが、ロリータは人の 評価や世の流行 は意に介さず、ただ自分の好きな服を着るのがロリータである。が、現在では多くの ブランドが立ち上げられ、着こなしにも幅が出るようにな り、ブランドそれぞれの個性 が発揮されながらも、そこには 1つの「様式」が定まりつつあるという[10]。 「ロリータ衣装道楽」や「ロリータ衣装道楽 II」は、その様式と法則性について考え、 定番的なアイテムを例にとりあげつつも、「一通りの「様式」に目を通した上で、あえ てそれを破ってみることもおすすめします。」と記述している[10]。 主に白・ピンクを基調とした、幼児的なフォルム、フリルやレースなどが過剰にあしら われた、西洋のお伽噺の世界から抜け出してきた「お姫様」のような前近代のヨー ロッパの少女のドレスのデザインにも似たスタイルを指すが[2][3]、嶽本野ばらのよう にガーリーファッションもロリータファッションに含めて使用する人もいる[6][11]。 また、 ロリータブランドのアイテムを少しだけファッションに取り入れたり、ロリータブランド 以外のアイテムを組み合わせたコーディネートもあり、「ロリー タ衣装道楽 II」では部 屋着(アンダーウエア、ナイトウエア含む)を中心にロリータファッションの愛好家の好 みそうなものを紹介している[12][13]。カジュアルラインのアイテムを発表するロリータ ファッションブランドもある[14]。 また、ロリータの愛好家の間にだけ強く共有されている、独特の「ロリータ文化」[15] が存在しており、それがロリータと他のストリートファッションムーブメントを峻別して いる[8]。 ロリータファッションはその外見のインパ���トのためしばしば好奇の目で見られ、メ ディアにも取り上げられている[16]。ロリータファッションのユーザーの洋服への熱意を 掬い取るような雑誌は 2000年を境に急増しており、またインターネットによっても手 軽に調べることができる[17]。 名称の意味 「ロリータ」の語源はウラジミール・ナボコフが 1958年に発表した同名の小説に登 場する、中年の文学者に一目惚れされ、それを翻弄する 12歳の美少女・ドロレス・ ヘイズのドロレスの部分を変形した愛称(ニックネーム)の 1つである(なので、作中 ではドリー、ローなどとも呼ばれている。)。また、この作品に由来して、「10代前半位 の少女に特別な感情を抱く人」をロリータコンプレックスと呼ぶこともある[18][19]。この ドロレスという少女は少女期特有の妖しい魅力を持った魔性の少女であり、中年の 文学者ハンバート・ハンバートを翻弄し、破滅に導く[20]。 ナボコフはロリータの定義 を年齢的に幼く(10代前半位)、言動や容姿が小悪魔的でコケットリーなニンフェッ ト(ニンフ)でなければならないと細かく定義したが、日本において「ロリータ」という 言葉は、ニンフとはほぼ逆の「���際はもう大人なのに、童顔ゆえに幼く魅せている女 性」か「本当にまだエロスの欠片も身体に宿していない少女」を指す[19]。 嶽本野ば らはロリータを語る際は、ナボコフの定義したロリータと、そこから派生し裏返ってし まった日本独特のロリータの解釈を整理しておかなければ論点が どんどんずれてい き、混乱してしまうとしている。そのため、嶽本野ばらは日本的解釈のロリータをロ リータの基本とすると述べた[19]。しかし、「ロリータ衣装道楽」では「少女の小悪魔的 な美しさを表現したスタイル」と説明しており[21]、ロリータには「死」の匂いがすると も語っており[22]、どうやらロリータファッション自体も単純に純粋無垢(イノセント)で あるとは言いがたいようである。また、嶽本野ばらが著書「パッチワーク」でロリータ の源流として紹介しているブランド「MILK」[23]の ディレクター・大川ひとみによれば、 MILKのデザインは「女の子だから可愛く、ちょっとポワーンとしていて天使っぽいと ころに、悪魔っぽいところを持っ ている女の子のイメージ」または「子供っぽいところ を残した艶やかな大人の女性」のイメージで作られてお���、「天使の皮を被った悪 魔」を意識しているとい う[24]。 性的嗜好としてのロリータ・コンプレックスは「少女(あるいは少年)」そのものに対す る性的執着であるが、ファッションとして「ロリータ」という場合は少女趣味的な志向 に基づく服装の系統を指す(「ロリータ」の名称との直接の関連性は不明である)。 ロリータ・ファッションとロリータ・コンプレックスの違いは、ロリータコンプレックスには 性的対象となる魅惑的な少女には「ロリータ」と別に呼び名があり、ロリータ・コンプ レックス自体は「ロリータ的美少女を好む人間」を指すが[6]、ロリータファッションは 「少女的な志向のストリートファッション」と「少女的な志向のストリートファッションを 好む人間」を区別しておらず(あるいは、今のところ区別する言葉がない)そこら辺に 違いがあるのかと思われる[8]。また、小説では少女ロリータは奔放でインモラルな存 在として描かれているが、ロリータファッションは過剰な露出をしない[23]など、性に関 するストイックさへの執着や、さらに進んで性的なイメージへの忌避が強く感じられる という違いがある[20](ただ、「ロリータ衣装道楽」の頁 109 でのロリータブランド・ Victorian maiden の説明文に「愛らしさだけではなく、アンニュイな陰りと知的な エロスをも感じさせる」とあり、小説のロリータ程ではないにしても、多少はそういった 要素を内包したコーディネートやブランドも存在しているようではある[25])。また、ナボ コフの定義との違いに年齢制限(10 代前半位[6])があるが、これは愛好家のことで はなく、「服装のイメージ」だけを指すのならば当てはまり、矛盾はしない(しかし、ロ リータファッションの愛好家には中学生や[26]、子供服ブランドである「Shirley Temple」などの延長としてロリータファッションを選び始めたものもいる[26])。 なお、ウラジミール・ナボコフ原作の「ロリータ」はこれまでに 2 度映画化されている が、最初の映画化作品であるスタンリー・キューブリック監督の 1962 年の映画版 「ロリータ」(脚本は原作者であるウラジミール・ナボコフ本人が書いている。)は当時 の検問・規制もあってか原作とは雰囲気が異なっており、ファッション性が高く、ロ リータを演じた当時 15 歳の主演女優スー・リオンは原作と違って、ロリータではな いものの赤いハート型のサングラスに代表されるキッチュで少女らしさ全開の“ブリ ブリ系” ファッションに身を固めており、原作と���やや趣の異なるニンフェットを演じて いる[27]。なお、ナボコフのニンフェットは 9 - 14 歳までの一部の少女のことであり、 15 歳はニンフェット���は入らないはずである。実際、作中で 15 歳になったロリータ をハンバートが疎んじているシーンがある[28]。 しかし、作中ではロリータは 12 - 16 歳の頃まで描かれるため、小説全体を通してみるならば、役柄としては一応当て嵌 まっている。なお、1995 年 3 月 16 日の日本経済新聞は当時日本で流 行していた 原色系のロリータスタイルとこのキューブリック版ロリータは共通していると指摘して いる[29]。また 1995 年当時はイギリスの Shampoo と いう 2 人組のアイドルグルー プがこのキューブリック版ロリータを彷彿とさせる少女的なカラフル&キッチュな ファッション、甘ったるいボイスで反社 会的なパンク・ロックを歌い、注目を集めており、 日本的独自解釈のロリータに近い活動をしていた。もっとも、当時の HMV心斎橋店 によれば甘ったるい声と スタイルは共通するが、音楽的な分類はできないとのこと である[29][30]。 この区別の為にしばしばファッションにおけるロリータをロリィタと表記する場合もあ る。また、V 系音楽の歌詞や、椎名林檎の旧字体を使用する歌詞を好む一部の愛好 家が、主にネット上を中心に個性の一環(演出)として���字体を好んで使用する場合 があり、ロリータも歴史的仮名遣でロリヰタと表記する。「ヰ」 は平安中期までは 「う」に近い半母音(wi)と母音(i)との結合した音節で、「うぃ」(wi)と発音する文字で あったが、後にア行・ヤ行の「い」と混同 され、現代では「い」(i)の発音と同音である。 なので「ゐ」または「ヰ」は「うぃ」とも「い」とも発音する言葉であり、現在では文法的 にも間違いではな い[31])。使用例としては少女-ロリヰタ-23 区(ヴィジュアル系バン ドの名称)等がある。なお、嶽本野ばらの著作に「ロリヰタ。」が存在しているが、これ はロリコンとロリータ服を題材にした物語であり、ロリコンとロリータを区別した「ロ リィタ」や本来の「ロリヰタ」とは正反対の意味である[32]。 2004年頃から、世間一般ではロリータの名称よりも「ゴスロリ」という表現の方が 親しまれており、「ゴスロリ」がロリータファッションの総称のように扱われているが [33]、実際は逆でゴスロリはロリータファッションの中の 1種類であり、ロリータファッ ションの中でも「ゴシック」の要素を含んだもののみを「ゴシックロリータ」と呼ぶとす る説がある[34](しかし、中にはゴシック・ファッションの傍系である、バンドコスから生 まれたと主張する愛好家���根強く存在する[35])。従って、本来は「ロリータファッショ ン」の方が甘ロリやゴスロリを含めた総称であるとする説がロリータファッションユー ザーの間では有力なようである[34]。 また、単に服装だけを「ロリータ」と指して言うだけではなく、「私、ロリータなんで す。」と自己紹介する際にも用いられ、ロリータファッションを好む人間自身を指す言 葉でもあり、愛好家のアイデンティティを表現する言葉でもある[8]。 愛好者に関して 現在「ロリータ」と呼ばれる愛好家やファッションの原型は、1970年代前半から 1980年代後半にかけて存在していた「MILK」の愛好家[2]や オリーブ少女、ナゴム ギャルであり、これら「少女」を彷彿とさせるファッションやそれらを好む「少女的」な 人々を「ロリータファッション」「ロリータ少 女」「ロリータ」と呼んでいた可能性もある が、当時の「ロリータファッション」という言葉が指していたのは「装いや振る舞いが 少女的である」というような 大雑把なもので、現在のような「典型的なスタイル」や 「様式」はなかった模様である[36]。しかし、嶽本野ばらは 1980年代当時からロリー タスタイルの定義がちゃんとあったと証言しているので真偽は不明である[37]。 ファッションジャンルとして明確に把握され、区別された「ロリータファッション」スタイ ルが登場し始めたのは 1990年代初頭からと推測される[38]。 一般にも広く知られ「流行」と認識されるようになったのは、1994年と 2004年で あるが、1994年にロリータロビンちゃんやナゴムギャルにより広まった原色系のロ リータファッションのスタイルと[38]、2004年に下妻物語の影響で認知された[1]現代 的なロリータファッションのスタイルは微妙に異なる。 このファッションの亜流ではないかと思われるゴシック・アンド・ロリータファッションに は、「ロリータの傍系である[34]」という説と「1990年代中頃にゴシックファッションの 影響を受けたヴィジュアル系バンドのバンドコスから生まれた(ゴシックの傍系であ る)[35][39]」 という 2つの説があり、真偽は不明である。しかし「1990年代中頃のバ ンドコスから派生した。」との説には、大槻ケンヂのように「1980年代からその 原型 は存在していた。」と「1990年代中頃説」に異論を唱える者がいる(宝野アリカは異 論を唱えた訳ではないが、自分自身が 1980年代にゴシッ ク&ロリータを着て街を 歩いていた、と「人造美女は可能か?」で記述している[40])。そのためゴスロリはロ リータの傍系と思われているが、「ロリータパンク」や「クラシカル系ロリータ」と比較 してもゴスロリはロリータの傍系の中では別格扱いされており[35]、愛好家だけでは なく一般人からも特別視されているようである(詳細はゴシック・アンド・ロリータの# ストリート・ファッションとしてのルーツを参照)。 また、最近のメディアでは一括りに「ゴスロリ」と称されてしまうことも多々あり、さらに 酷い場合には、所謂アキバブームで有名となったメイド服と混同されることもある。ロ リータ・ファッションの女性はゴシック・アンド・ロリータやメイド服などのコスプレと混 同されることを好まない者が多い コスプレとはコスチュームプレイの略語で、仮装によってあるキャラクターになりきる、 演じることを指すが、その中でロリータファッションも「非日常 への変身衣装」として 扱われることがある。コスプレ(コスプレイヤー)用として製造されたロリータ服は「非 日常への変身衣装」であり、ファッション性や愛 好家の好みよりも、コスプレとしての 実用性やコスプレイヤーの好み(コスプレ感覚)が重視されており、そのため視覚的 な分かりやすさが求められており、 「ロリータ」と分かりやすくするために、実物よりも 特徴が大味で極端なデザインが多く、男性の性的嗜好を満足させる類になると、露 出も増え、デフォルメが 目立ってくる。そのため、ロリータファッションを「非日常への 変身衣装」としてではなく、「ファッション」として愛する人間は「仮装」「コスプレ」と形 容 されることを嫌う[41]。 また慶應義塾大学出版会の「人造美女は可能か?」において執筆者の 1人である 宝野アリカが、ゴスロリとメイドは別物であり、ゴスロリ愛好者はメイド との混同を嫌 うと説明したことがある。 宝野アリカによればゴスロリ=コスプレという図式が出来 上がってしまったのはメイド���茶のウエイトレスがメディアで大きく取り上げられた頃 からであり、宝 野アリカが初めてメイドを見たのはテレビの報道番組特集からである が、「どこかゴシック&ロリータ風」と言いつつも、猫耳をつけたメイド服の女性 がカメ ラを向けられて猫のポーズをとる姿などを見て、「安っぽいお気楽な妄想と、勘違い とで溢れていた。」「思わず突っ込みを入れてしまいたくなる。」な ど、当時(2006年 頃)かなり動揺していた様子が本の内容からも窺える。また、当時ゴシック&ロリータ 少女に、メイドさんとか萌え子ちゃんなど と声を掛ける男性が後を絶たなかったよう で、ゴシック&ロリータ達はそういった性的な目線を屈辱的に感じていたようである [42]。 また、「人造美女は可能か?」のシンポジウム[43]で宝野アリカはメイド服で女装[44]し たパネラーの 1人である慶応義塾大学文学部教授の荻野アンナに、「人造美女製 造者としては、軽々しく男に傅くメイドは認められません。」と発言し、メイド と人造美 女である人形は別物であると説明した事があり、男の欲望をそのまま表現するメイド と、自主的に、生身のまま人形を目指すゴ���ロリ少女とは別物であ ると話した[45]。ま た、宝野アリカは「男にとっても、メイド美女より、人造美女を傅かせる方が、よほど密 度が濃いはずです」とも言っている[46]。 なお、コスプレでメイド姿と並んで人気があるのが巫女装束だが[47]、朝日新聞出版・ 神田明神監修の「巫女さん入門 初級編」には現役の巫女にコスプレ巫女につい てどう思うかインタビューしている箇所がある[48]。 ロリータファッションの愛好家はコ スプレと混同されることを嫌うが、巫女も同様にコスプレ巫女と現役の巫女を混同さ れることを嫌っているようである。神田 明神の巫女(をまとめるリーダー)によれば彼 女はアニメなどに登場する巫女装束はなんとも思わないが、コスプレをしている人を みると「変な格好をしている な」と違和感を覚えるらしい。しかし、あくまでもコスプレ は違って当たり前という認識があり、コスプレ巫女がきちんとした着付けをしている 方が、コスプレ ではなくなってしまうため、「自分たちも、(他者に)そういうふうな目 で見られるのではないか」と嫌に感じるそうである。(その一方、正しい着付けのアド バイスをしたくなることもあるようだ。)ロリータはきちんとしていないコスプレ用のロ リータ服と自分たちの着ている服が混同されることを嫌がるが[12]、 巫女はきちんと したコスプレをされると混同されるのではないかと心配になるようである。従って、仮 にコスプレ用のロリータ服が極端なデザインを辞め、きち んとした造りになったとし ても、神田明神の巫女と同じような反応に変わる可能性があり、ロリータがコスプレ のロリータ服を嫌っている要因はデザイン性の悪 さよりも「「コスプレ用のロリータ」 と「実際のロリータファッション」が他者に混同されること」にあるのではないかと思 われる。 また、嶽本野ばらは「パッチワーク」でロリータを日常着ではなく「特別な日のために あるお洋服・晴れ着」と呼んでいる箇所がある[49]。しかし、「Fetish」ではお洒落でも あり正装でもあると説明していたり[50]、あやふやな部分があるようにも見受けられる。 一方、「セカイと私とロリータファッション」の著者・松浦桃は「ロ���ータファッションもコ スチュームプレイもあるロールをなぞる一種の「ごっこ」遊 びの性質を帯びたゲーム には違いない」と書いており、ロリータもコスプレの範疇に入る「メイドさん」もその洋 服をまとって街にでれば「ファッション」にな り、「生活」「日常」になるとも書いている [51]。しかし、メイドさんは「特定の屋敷内で働く使用人」という仕事に従事するさいの ユニフォームであり、彼女らは「余暇の時間」はメイドではない。なのでメイドさんはロ リータよりも非日常的なゲームの要素が強く、ストリートファッションに進出しにくい、 と書いている[52]。それに反してロリータは「華やかなドレスを着たお嬢さま」(「お姫 様」[53]、「前近代のヨーロッパの少女」という記述もある。)などのより広汎なイメージ を持っており、このイメージのあいまいな大きさが、ロリータをファッションにまで拡張 することを可能にしていると書いている。 しかし、「ロリータ衣装道楽」は前述のようにコスプレのデザイン性の極端さを指摘し、 ロリーファッションの愛好家はコスプレと形容されることを嫌う、と明言している[54]。 また、宝野ア���カはコスプレの一環としてのゴスロリやメイドについて、「全否定する 訳ではない」「彼らの中にも私の歌を聞いてくれる子がいると思えば、姉 のような気 持ちで見守る寛容さだって持ち合わせている」とコスプレ側に配慮しつつも、「かつて の友、アリスの末裔たちこそを愛する」と続け、「インチキ ナースや制服やアニメの キャラクター衣装と共に売られるゴスロリ服の化繊のレースやごわついた布地に、け して高潔で孤独なる思想は包み込めはしない[55]」と「ロリータ衣装道楽」と同様にコ スプレ服のデザイン性の悪さを指摘した。 なので、恐らくはロリータの愛好家はコスプレと形容されることを嫌っているものの、 ロリータがコスプレかファッションなのか、それとも「セカイと私 とロリータファッショ ン」が言うようにその両方の性質を帯びているのかは愛好家の間でも意見が分かれ ているようである(電撃文庫・伏見つかさの「十三番目のアリス 2」 で戦闘メイド・悠 里のキャラクター設定を見た電撃の編集が「ゴスロリじゃないじゃん」と発言しており (この作品には九条院アリスといった、ゴスロリ設定の キャラクターが多い。)、結果 的には悠里のキャラクター設定は通ったが、2006 年頃の電撃文庫編集部内には 「ゴスロリとメイドは別物���という認識があっ た模様である[56])。 ロリータの愛好家は「萌え」などの異性からの性的な視線に対して冷たい態度をと るこ���がある[57]。理由は、たとえそれが親しい異性であっても、異性の性的な目線か らの「それはかわいくないと思うな。」「こっちの方がいいと思うな。」という言葉に、人 間は揺れやすいため、ロリータを制限してしまったり、抑圧されたりすることを意識し ているからである[58]。また、こういった「異性にもてること」や「学校・勤務先の環境」 などの拘束から解き放たれたいという感覚や、自分の意図しない方向性で見る視線 が入り込んでくることで感じる、ある種の面倒さのためでもある[59]。 これは女性だけ ではなく男性のロリータファッションの愛好家も感じているようで、例えば嶽本野ばら も著作で「手料理を作る女性」の裏側にある欲望を批判し ていたり、恋人の好みの ファッションや、あまり好きではないのに友達のファッションを真似てしまう人などは乙 女とはいえないとも言っている[60]。 なお、嶽本野ばらは作中で執拗に直接的な性描 写をしているが、これは野ばらがジョルジュ・バタイユの著作「エロティシズム」で書か れた死とエロティシズム の関係に感銘を受け、やや考え方が変わった影響によるも ので、意外にも嶽本���ばらは思春期の頃は性への欲望を憎んでいたそうである[61]。 また、嶽本野ばらは「Gothic&Lolita Bible vol.1」で元祖ロリータとして戸川純を 紹介している[62]。松浦桃によれば、戸川の演じるロリータはいつも性を求めているの だが、それと同時に「純潔」を演じることに対する凶暴性をも秘めている[63]。また、戸 川は思春期の少女やアンドロイド、娼婦などのモチーフを繰り返し書いている[64]。ま た、嶽本野ばらの「それいぬ」には乙女の性欲について書いている章があり、嶽本野 ばらによれば乙女にも万人と同じく性欲はあるのだが、立派な乙女の場合、性欲は ストレートな形を持って放出されず、現実と観念の狭間で乙女の性欲は迷宮を駆け 巡るのだそうである[65]。 主に 10代から 20代の若い女性が着るファッションと認識されているが、ギャルや、 モード系、さらには森ガールなどのロリータ以外の若者服にも見られるように、中に は 30代から 40代、さらにはそれ以上の年齢層の人間も好んで着る場合があり、そ の場合はクラシカル系ロリータが、派手な装飾が少ないため人気が集まりやすい。 また、ロリータ・ファッションの愛好者は、ロリー���・ファッションを卒業した後も、個性 的な服装を続ける場合がよくあり、流行りのモダン着物のような大正ロマンな 趣の あるレトロなファッション・ロリータ要素の殆どない純粋なゴシックファッション・ヴィ ヴィアン・ウエストウッドのスーツなどのトラッドな服装・「マダ ム」と称されるような、 フェイクファーを多用したフェティッシュかつゴージャスな服装・またはエミリーテンプ ルキュートやミルクのようなロリータ要素のあ るカジュアルや、カントリーテーストの ピンクハウスに移行しやすい。 また、男性にもロリータ・ファッションの愛好者は存在しており、代表的な人物が MANAや嶽本野ばらである。男性のロリータ・ファッションの愛好者の場合、完全な 女装で、なおかつコスプレではなくファッションとしてロリータを楽しんでいる場合と、 嶽本野ばらのようにロリータブランドの服を男性向けに着こなしている場合があり、 メンズ・スカートを用いることもある。なお、嶽本野ばらは著作「それいぬ」において、 自分はよくホモセクシャル(同性愛者)と間違えられるが、れっきとした異性愛者であ ると書いている(野ばらはそう思われても構わないが、弁明すべきなのか困っていた [65])。 なお、ロリータ・ファッションの要素を取り入れた子供服も存在するものの、それらは コンセプトの似た系統である姫系や、ピンクハウス同様、別���要素のあるドレスなど にロリータ服の要素を取り入れたものにすぎず、シャーリーテンプルなどに代表され るロリータの要素のある子供服は、ロリータファッションとは形状・デザインの細部が 異なり、ヘッドドレスやボンネット等は使用されない。[1]さらに、一部パーティー用に コスプレ向けの安価なデザインの服を「ゴスロリ着物ドレス」「ロリータ子供服」と称 して販売するケースもあり、注意が必要である。そのため、子供服を親が自作する ケースもままある。 ピアノの発表会などで少女が着るような服ともされるが、それらはまた服の意匠など 細部が異なる。さらには、ビスク・ドールといったアンティークドールのようなファッショ ンであるともいわれるが、いわゆる西洋のビスクドールのドレスはネグリジェのように ウエストを強調しない、ゆったりとしたベビー服が一般的であり、ロリータ服のシル エットとはまた異なる。 また、ロリータファッションのイメージソースは西洋由来のものであるといわれることも あるが、姫カットやパニエで膨らんだ鳥かご型のスカートなどは「それいゆ」などの日 本の少女雑誌でも好まれた要素であり、そういった日本の少女雑誌や、大正時代の 少女向け雑誌のイラストなども参考にされている可能性がある。 ロリータファッションは様々な少女のイメージが重なって生まれた服装であると言え る。 嶽本野ばらによる愛好家の考察 嶽本野ばらは乙女のカリスマなどと呼ばれているが[66]自分にはリーダーシップはな く、またロリータを先導しようとしても無理であり、ロリータは自分勝手に生きていくも ので、自分が納得できないことに対しては全く聞く耳を持たないため、ロリータ同士 が一致団結することはあり得ないと書いている[66]。また、嶽本野ばらは同じロリータ でも奈良美智の描く少女イラストを「可愛い」と誉めそやすロリータは理解できず、 困ってしまうと書いている(可愛いと認めはしないが、奈良美智の描く少女像は「僕 の描き出す乙女の姿と酷似している。」と多少は肯定しており、彼の奈良美智に対す る嫌悪感は同族嫌悪である、と述べている。[67])。 また、それぞれのロリータが自身 の中に自分で作り上げたロリータとして生きるための定義を持っており、ロリータは その定義に従い、これは好き、これは嫌 い、これは可愛く、これは可愛くないと様々な ものを選別していくのがロリータである。しかし、なぜか流儀は違えど全てのロリータ がこよなく愛するものが奇 跡的に存在しており、それがルイス・キャロル著の「不思 議の国のアリス」であるという。しかし、嶽本野ばらによればアリスはロリータのバイ ブルではなく、 本の内容よりも、ロリータの関心を引いているのはマクミラン社から 出されたオリジナル版の「不思議の国のアリス」に付けられたジョン・テニエルによる 挿絵 の方であると書いている[66]。 『年齢』とロリータファッション フリル全開、過剰な少女趣味のロリータファッションは、西洋では日本程は支持され ていない。理由は、西洋のティーンたちは常に背伸びをするからで、彼女たちは成熟 を目指し、可愛いといわれるよりもセクシーと誉められることを望むからであると嶽 本野ばらは書いている[5]。 ロリータ系ブランドの顧客は主にティーンであるが、中に はティーンを過ぎても、ロリータを捨てられない者もおり、中にはロリータを装飾過剰 でいただけない と思っていた母親が、ロリータの娘の影響を受けて、親子揃ってロ リータファッションに嵌ってしまうケースもあるという。なお、年配の女性がギャルやロ リー タファッションに憧れてしまう理由として嶽本野ばらは「可愛いから」と語ってお り、難しい思想や主張は存在しないのだという[68]。 西洋人から奇異に思われるスト リートファッションには他にギャル系ファッションがあるが、ロリータとギャルは様々な 面で相反する存在であるものの、ギャル の中にもロリータと同じくティーンを過ぎて からもギャル服を愛用するものがおり、ギャル���聖地・渋谷の 109 には年配の女性 の姿もちらほら見られるとい う。しかし、世間の目はティーン以上に厳しいとも言わ れている[5]。嶽本野ばら自身も成人した男性であるが、ロリータファッションを愛好し ており、親[69]から批判されているという[70]。嶽本野ばらは西洋の女性が社会人とし てのアイデンティティを確保しなければならないと考えるのは立派であるが、洋服を 選ぶ際まで社会に就いて考えなければならないのは不自由ではないか、と批判して おり[71]、ティーンを過ぎてもロリータファッションを愛し続けるためには自分の感性や 価値基準に絶対的な自信と思い入れを持っていなければ難しいとも語っている[72]。 また、後のインタビューによれば、嶽本野ばらは若い頃は自分が世間から特別視さ れているのを理解できていなかったが、大人になってから色々と迫害されてき たこと に気付き、母親に「何でこんなになるまで放っておいたの?」と修正しなかったことを 訊ねたところ、母親は最初は何度か修正しようとしたが、治らな かったため、「生きて りゃ十分だ」と諦めたそうである[73](ま た、嶽本野ばらはカントリーや PINK HOUSE を著作「それいぬ」の「カントリーなんて糞くらいあそばせ!」で批判していたが、その 一方でカントリーに少し惹かれてしまったことを自己批判し ていたり、さらには意見 が変わったのか「パッチワーク」の「キャリアを越境する自由と意志」の最後で全身 PINK HOUSE の年老いたご婦人を誉めている[72])。また、嶽本野ばらは小説家で あるが、親は左翼を嫌っており、本を読むと左翼になると両親が思い込んでいたため、 幼い頃は小説を読むのに苦労したとのことである[74]。なお、嶽本野ばらは「それい ぬ」の「皇室礼賛」において、自身を右翼的な人間であると書いている[75]。 ロリータファッションを始めた年齢は様々だが、最も多く聞くのは、親には「着て欲しく ない」といわれることが多いためか、自分の小遣いで服を買い始める高校生から大 学生くらいの時期のデビューである[76]。一方で中には身長 150cm を越えた頃には 既にたくさんのロリータファッションが揃っていた、という人もいるという[26]。 また、ロリータファッションの愛好家には会社員[77]や、営業事務に携わる人[78]手作り の洋服の販売を手がける一児の母など、様々な職業の人がいる[79]。 発祥と展開 「ロリータ」という言葉に少女性を象徴する概念を付与する用法は、ウラジーミル・ナ ボコフの小説『ロリータ』に由来する。「ファッション」とは通常、時代や社会的役割、 組織など他者からの期待や判断の対象となる場合が多い。だが、その全てをこの 「ロリータ・ファッション」は拒絶する場合が多いとされる。なお、ここでいうファッション の定義はそのような服装および現象のことを指す。 小説『ロリータ』で初恋の少女を求め続ける主人公の姿から、少女に纏わる性的空 想も含めた広義の少女幻想が注目されるようになった。ロリータが社会全体が抱く 少女らしさの象徴としての言葉になっているため、男性の性的空想ではなく「少女趣 味」そのものをロリータと言う場合がある。歴史的に見れば、現在のロリータ・ファッ ションの原型は 1980 年代中頃に DC ブランドから発表され流行が始まった「ドー ル・ファッション」と呼ばれたものと推測される[誰によって?]。当時の代表的なブランドは、 現在でもカントリーテイストで知られる「Pink House」、「田園詩」。当時アイドル的 で音楽傾向の強い服作りをしていた「MILK」などがある。その後、MILK のデザイ ナーの 1 人だった村野めぐみが立ち上げた「Jane Marple」、同じく MILK のデザイ ナーの 1 人だった柳川れいが立ち上げた子供服ブランド「Shirley Temple」 から 生まれた大人向けの姉妹ブランド「Emily Temple cute」などのブランドが加わっ た。また、ここで名前の挙げられている「MILK」「Jane Marple」「Emily Temple cute」などのブランドは、あからさまにロリータ・ファッションであることを掲げてはお らず、「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」「metamorphose temps de fille」などのロリータ・ファッションと呼ばれる他のブランドと比較しても、その装飾は 幼児性を孕んでいるとも、また極端であるとも言えない。しかし、その装飾やコンセプ トにロリータ的な精神性を見出すことは不可能ではない。 1970 年代 1970 年に「ロリータの源流[2]」とも言われ、現在「ロリータファッション」と呼ばれる 範囲に属しているブランド、「MILK」が設立される[36]。原宿にオープンした「MILK」 は当初、高価で、また日常着としては非現実的なデザインだったため、主にアイドル のステージ衣装として使われていた[80]。しかし、やがてミルクを日常着として着るも のが現れ始め、嶽本野ばらによれば、この時、ロリータと呼ばれる乙女達とそのスタ イルは自然発生的に生まれたという[80]。しかし、ロリータの火種であった MILK や Jane Marple[81]は ロリータ達から熱烈な支持を受け、2007 年の時点でもロリータ ファッションの範囲に入ると認識されているにもかかわらず、「それいぬ」刊行当時 1998 年頃にはロリータブランドと定義されることを拒否していたようである。従って、 1998 年当時は主にインディーズ系のロリータブランドがロリータ・ブーム を担って いた[80]。しかし、嶽本野ばらは同じ「パッチワーク」内の「ガーリーだなんていわせな い」において、MILK や Jane Marple がロリータファッションとカテゴライズされるこ とを拒否している事に対し、不満に思っていると記述している[82]。 1980 年代 1980 年代前半に「PINK HOUSE」のデザイナー・金子功が発信する少女的なスタ イルが一世を風靡するが、この時期のファッション雑誌を調べた松浦桃によれば、こ の時期の紙面にはまだ「ロリータ」という表現は見られなかったという[36]。 1985 年に MILK から独立した村野めぐみをデザイナーとし、ブランド「Jane Marple」が登場する。以後、ロリータは流行と衰退を繰り返しながら、一部の間で受 け継がれていく[80]。 松浦桃は 1987 年 9 月号の流行通信(頁 20,21)で「ロリータファッション批判」と いう記事を見つけているが、この記事にはファッションという よりも「一定年齢に達し ているにもかかわらず、装いや振舞いが未だ少女的である女性」への「やんわりとし た苦言」が書かれている[36](ど ちらかといえば熱烈なファッション批判というよりも、 「少女的な特徴を残した若い女性」に対して、大人の女性が教育的にたしなめるよ うな口調で書いている ように見受けられる。この記事では「ロリータ少女」の対比と して「シックでエスプリのある女のコ」がどういったものであるのかを説明しており、ロ リータ少 女の幼い言動を大人目線でやんわりと注意しているように読み取れる。)。 この記事からは 1987 年当時、「装いと振舞いに少女的な特徴を残している、一定 年齢の女性」を「ロリータ」または「ロリータ少女」「ロリータファッション」と呼ぶ見方 が世間一般にあった可能性が読み取れ、いまのようなカテゴリーとし て明確に区別 された「ファッション」としてのロリータとは大きく異なっている[36]。 しかし、「ストリートモードブック」のインタビューによれば、嶽本野ばらによればロリー タスタイルの定義は 1980 年代からあったという。しかし、 当時それを真似たいい加 減なブランドや、コスプレに近いようなものが多く出回ってしまい、DC ブランドブーム が終わった頃にはファッション誌のアンケート でも、同性からも異性からも嫌われる ファッションのナンバー 1 になっ���しまい、ロリータという表現自体に悪いイメージが ついてしまったのだと嶽本野ばらは 説明していた[37]。また、「ストリートモードブック」 の年表には 1987 年の箇所に「少女ロリータルック人気」とあり、同じ箇所には「DC ブランドの飽和状態・供給過剰によりブーム失速」とあり、嶽本野ばらの発言と一致 している[83]。また電通の広告景気年表[84]の 1987 年(昭和 62 年)にも、ロリータ ルックの流行についての記述がある。これによればロリータルックというものはミニ丈 のフレア、女学生風の白い衿、 フリルやリボンなどのディテールを持ったスタイルの ことだったらしい。 なお、宝野アリカは 1980 年代の頃からゴシック&ロリータに身を 包み、街を闊歩していたそうである。しかし、当時宝野アリカが着ていたような格 好 にゴシック&ロリータという呼び名はなく、世間的認知もなかったそうである[85]。 1990 年代 1990 年代初頭に入ると、ようやくカテゴリーとして明確に区別された「ロリータ ファッション」という表現が「女性セブン」(1994 年 10 月 26 日号(頁 26-27))など の雑誌で���り扱われ、世間一般で用いられるようになっているのが読み取れる[86]。 しかし当時のロリータファッションは、現在のロリータファッションとは大きく異なって おり、ロリータタレントのロビンちゃんが着ているような現在の ものに微妙に近い「原 色系のロリータ」や「子供服(ジュニアサイズ)のようなデザインを 10 代後半以上の 女性が着る」といったものが主流であったらしく、 「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」など、現在代表的なロリータファッションブランドとして知られる一部は、既 に活動を開始していたが、こうしたブランドが提唱するスタイルは まだ一般に知られ ていなかった(現在のロリータファッションのスタイルが固まったのは、ロリータ・ロビ ンちゃんが活躍した 1994 年頃である[86])。 また、こうしたスタイルを好む女性と仲が良い男性も一緒にこうした「子どもスタイ ル」にしているケースもあり、現在のロリータファッションの女性と対になる男装の王 子系や、ゴシックファッションの男性、嶽本野ばらがしているような格好ともかなり 違ったものであった[86]。 その流れと並行し、英国のブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」が 1980 年代後半 にアンダーバストを極端に細くしたクラシックなテーラード・ジャケットや、コルセット、 19 世紀風のクリノリンスカートをミニ丈に仕立てた「ミニクリニ」スカートをロンドン・ コレクションで発表している。 2000 年代以降 それまでに日本においてロリータ・ファッションは発展をみせる。2009 年より青木美 沙子が外務省によってカワイイ大使に任命され海外にロリータ・ファッションを広める 活動を行い、評価を得てゆく。2013 年 2 月、福岡県福岡市に世界初のロリータ・ ファッションの協会である「日本ロリータ協会」が設立され、青木が同協会の会長に 就任する[87][88]。 中国のウェブサイト HOKK fabrica は 2015 年 7 月 4 日の記事で、基本的なロ リータ・ファッションを守りつつ、ヒジャブに飾りやフリルをつけ、スカートの下にズボン をはくなどしてイスラムの教えに従ったアレンジをしたムスリム・ロリータというジャン ルが、欧米在住のムスリム女性を発端として誕生したを紹介した[89][90]。 『下妻物語』 嶽 本野ばらの小説「下妻物語」は 2004 年に映画化され、映像メディアで初めて 「ロリータファッション」を大きく取り上げた作品であるが、当時のロリータ ファッショ ンを愛好しているものたちの間でも議論を巻き起こした作品でもある。「セカイと私と ロリータファッション」によれば、「「下妻物語」のイメージ こそが「ロリータ」だと思わ れることに対する不満の声と、「下妻=ロリータ」程度の認識であっても、一般の人に 「ロリータファッション」というジャンルを 知ってもらうことのメリットを重視する声の二 派に分かれ、大論争になった。」とのことである[1]。 小説・映画『下妻物語』中でのロリータ・ファッションとロリータ(以下ロリィタ)の定義 は、冒頭で主人公の竜ヶ崎桃子によって語られている。ロリータファッションブランド 「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」を愛好する彼女は、このファッションを簡 潔に言えば「ロココな精神を持つ者」であると語っている。彼女にとってフランスの ロ ココ文化は、彼女の愛する時代、芸術、思想、美学であり、同時にそれを体現すること が彼女の生き甲斐であるといえる。この作品中での「ロリィタ」は、い わば彼女の生 き方そのもののような存在であり、この物語の主人公がロリィタから見出だしたよう に、「生産性を持たない装飾過剰さ」「反社会的な享楽性や刹 那的な思想を自他と もに感じさせる」という点においては、このファッションと一部のそれを着用する者に は、確かに「ロココの精神」を認められると言える。 なお、映画では「ロリータファッション」の実物を深田恭子が着ているが、映画での着 ���なしについて色々な間違いを指摘する声もあったようだ。例え ば、作中で深田恭子 が家の中でジャンパースカートをサンドレス(夏場に着るワンピースのこと)のように 素肌に直接着ている場面があるが、ジャンパースカー トの造りはブラウスなど他の 衣類の上に合わせて着なければならないようにできている[91]。 しかし、服装自体は、ロココの時代以外の装飾が施されていることが多い(甘ロリや クラロリといったロリータ・ファッションのスタイルは、ヴィクトリア朝時代の貴族の子 供服がモデル(原型)になっている)。そのため、実際のロリィタは必ずしも「ロココな 精神を持つ者」「ロココの復刻」であるとはいいがたく、著者である嶽本野ばらは エッセーなどの他作品で「ロリィタの定義は個々により違うものであり、明確な定義 はない。」というようなことを述べている。これらはあくまでも竜ヶ崎桃子 にとっての 「ロリィタ」の定義であり、ロリィタの定義は必ずしも「ロココ」でなければならない訳 ではなく、実際に現実のロリィタがそうであるとは限らない ともされている。 「下妻物語」自体は桃子が「友達がいる/いないが気になる」という悩みを克服して いく普遍的なテーマを持つジュヴナイル小説の形態をとっている[92]。 しかし、この映 画ではジュブナイル小説にはつきものの、主人公の不安な心を導く存在が、普通は 動物や年配の「同伴者」や「助言者」なのだが、桃子にとって それは「お洋服」なの である。桃子がロリータファッションにみせる執着は、過酷な現実からの逃避のレベ ルを越え、「お洋服」が現実をサバイバルしていく同 志となっている[93]。しかし、全て のロリータが作中の桃子のような台詞を毎日唱えながらドレスを選んでいる訳では なく、ほとんどのロリータは好きなお洋服と共にありたいという愛着のみでロリータを 身に纏っている[94]。 著者の嶽本野ばらは実際にロリータファッションを着用している愛好家[95]であるが、 この作品自体はフィクションである。BABY, THE STARS SHINE BRIGHT など実 在のブランドや下妻市などの地名は登場するものの、この作品に登場するロリータ は実際の「ロリータファッション」のごく一部に過ぎない[91]。 また、ロリータファッションの愛好家は一致団結することがあまりなく、他者よりも自 分の「好き、嫌い」を優先的に考える傾向にあるため[96]、オタク(コスプレ)やギャル (姫系)などの「隣り合うカルチャー」[54]に対する意見も個人により大きく異なり、バ ラバラである。その特徴はファッションの好みにも反映されており、「どんな要素が多 いか。」「どういったテイストを加えるか。」といったファッションの好み[97]も個人差が 激しく、映画「下妻物語」同様、この Wikipedia 内に書いてある内容も実際のロリー タファッションのごく一部に過ぎないことを留意しておく必要がある。 この映画の公開された 2004 年に初めてアダルトビデオやアダルトゲームでゴシッ クロリータを題材にしたものが発売され始める。 ロリータファッションのイメージソース イメージソースとなる時代・風俗・文化 部屋着に重点をおいた「ロリータ衣装道楽 II」では、ロリータのイメージソースとなる 時代の風俗・文化に、バロック、18 世紀ロココ時代、19 世紀ヴィクトリアン時代と いった欧州の様式・風俗のほか、日本の大正時代[98]などを挙げている。 また、フランス・イギリスなどの国名もいくつか挙げており、フランスの貴族の休日の 過ごし方や[99]、イギリスのアフタヌーンティーなどの風俗についても語られている [100]。 ロリータのイメージソースとして扱われている作品 さらにロリータのイメージソースとして扱われている作品に、「ロリータ衣装道楽 II」で はローラ・インガルス・ワイルダーの「大草原の小さな家」とその続編「大草原の小さ な町[101]」、イーニッド・ブライトンの児童小説「おちゃめなふたご」シリーズを紹介し ている[102]。 「ロリータ衣装道楽」では定番であるジョン・テニエルの「不思議の国の アリス」「鏡の国のアリス」をはじめ、アニエスカ・ホーランド監督の映画「秘密の花 園」の主人公メアリーを紹介しており、映画冒頭でメアリーがキャミソールとドロワー ズ姿に着替えるシーンがあり���それが真似したくなる程のかわいらしさで あるとのこ とである[102]。 映画「秘密の花園」は嶽本野ばらも「それいぬ」の中で「F式・秘密の 花園」と題してその魅力を語っており、嶽本野ばらによれば一応原作の体裁をとって いる が、あくまでそれはアリバイであり、(野ばらは『「そんな穿った見方をして」と叱 られるのかもしれません。』と言いつつも)随所に象徴的オブジェや、フロ イト的フェ ティシズムがちりばめられており、特に最後のシーンは、意味深でバタイユや金子国 義が好きな「夜想」派乙女向きの作品であると感想を述べている[22]。 少女の登場する童話 少 女の出てくる童話は、ロリータファッションのイメージソースである。最も愛されて いるのは「不思議の国のアリス」で、「不思議の国のアリス」がロリータの お手本的 な存在になっている理由は、ディズニー版アニメやテニエルの挿画などで、ヴィジュア ルイメージがはっきりと定着しているためではないか、とも言わ れている[102]。アリス 以外には、白雪姫、シンデレラ、ラプンツェル、赤ずきんなど色々なお話が好まれてい るが、ロリータが童話に憧れる理由は、童話の中に隠された裏側の意味や、ロマン チックな夢の中に潜んだ、陰りとエロティシズムを魅惑的に感じているからではない か、とも言われている[102]。 『アリス』とロリータファッション 嶽 本野ばらは価値観の異なるロリータの間でもなぜか流儀は違えど全てのロリー タがこよなく愛するものが奇跡的に存在しており、それがルイス・キャロル著の 「不思 議の国のアリス」であると語っている。しかし、嶽本野ばらによればアリスはロリータ のバイブルではなく、本の内容よりも、ロリータの関心を引いてい るのはマクミラン 社から出されたオリジナル版の「不思議の国のアリス」に付けられたジョン・テニエ ルによる挿絵の方であり、テニエルの描いたアリスは一人歩きし、様々なグッズと なって世の中に出回っており、アリスの熱烈なコレクターになるロリータは多いそうで ある。ロリータに支持されるテニエル、ディズニー、金子國義が描いたテイストの異な るそれぞれのアリスを、嶽本野ばらは三大アリスと名付け、自身も収集している[103]。 『アリス』がロリータに好まれる理由について嶽本野ばらは中原淳一、金子國義、ル イス・キャロ���(テニエルではなく?)などが描く少女像は明らかに女性の 人権を無 視しており、そんな幻想を世の乙女たちは馬鹿にしているが、あまりにも完璧すぎる 男性からの要求は、ディスコミュニケーションが顕著であればある ほど、乙女たちは そこにスレイブとしての自分のアイデンティティを確保することが可能となり、逆に何 の躊躇いもなく作品に共感できるのだという[104]。 また、ALI PROJECT の宝野アリカも幼少期より「不思議の国のアリス」を耽読し詩 作の霊感源にしていたという[105]。 宝野アリカはアリスが自分と一字違いであったと いうことの他にも、「ナンセンス世界の奇妙な登場人物たちに魅かれ、拙い想像力で もってファンタジーという 言葉さえ知らぬまま不思議の国に彷徨い、そして何よりも 他の物語の子供たち(例えば小公子のセドリックや小公女のセーラなど)のような良 い子とは違う、ど こか自分本位でちょっぴり我が儘で、おかしなことばかり言うアリ ス」にこれまでにない魅力を感じたとのことである[106]。また、宝野アリカは 70 年代 にはアリスの絵本や本を買い漁り、水色のエプロンドレスを自ら縫い、縞の靴下を履 いて黒のワン・ストラップの靴で、髪を出来うる限り伸ばしリボンを巻き、どうやら無自 覚的にひとりコスプレを楽しんでいたようである[106]。 また宝野アリカによれば「少女 の「始まり」はアリス」であり、「現在ゴシック&ロリータと呼ばれる少女達の文化も、こ こはら端を成すのではないか と思えば、その深層に銀の匙を掬い入れるころは容易 いのではないだろうか。混同されがちなコスチュームプレイとの相違も顕著にされる だろう。」と書いた[107]。 宝野アリカも、嶽本野ばらも、「不思議の国のアリス」などの 童話を児童書、子供向けと見下しておらず、そこに隠された隠喩や、政治的な意図、 真意などを大 人目線で考察している様子がうかがえる。また嶽本野ばらは「それい ぬ」において、「メルヘンとファンタジーの違い」について書いており、そこで彼は大島 弓 子の少女漫画「綿の国星」を子供向けの安易なメルヘンではなく、チビ猫の視点 で世界を再構築した重厚なファンタジーであると書いている[108]。 その他のイメージソース 嶽 本野ばら「それいぬ」の「博物館とお葬式」によると、嶽本野ばらにとってロリータは常に死と 向かい合わせなものであり、野ばらにはロリータの赤い大きなリ ボンも、フリルのブラウスも、ぬ いぐるみも、全ては死の象徴のように感じるという。野ばらはロリータの好む傾向にあるアイテム は全て生のフェイクであり、 棺桶の中のフィクションであると言い、ロリータが憧れているのは本 物の死ではなく観念的な死であると「博物館とお葬式」内で語っている[22]。 ロリータ・ファッションの特徴 ロリータ・ファッションの特徴について松浦桃の『セカイと私とロリータファッション』で は次の 3 つが挙げられている。 1. 少女性を主張・強調するようなデザイン。(レース、リボン、フリルなどのモチーフを多用す る) 2. レーシング(編み上げ)やスカートの中にパニエを入れて膨らみを作るなど、前近代の ヨーロッパのデザインを取り入れたもの。(機能は完全に同じとはいえない) 3. 大人サイズではあるが、スタイル全体のイメージが十代の少女の印象にまとまるもの [109]。しかしこれらの特徴も時期によって少し異なる。また、モチーフにはサクランボやイチ ゴなどの果物、薔薇などの花柄(ロリータファッションでは薔薇柄の服がよく登場する。) [12]、小鹿やプードルといった動物、クッキーやケーキなどのお菓子、ハート形、王冠、お姫 様や妖精など童話も用いられる[12]。ロリータは動きやすさよりも、愛らしく見えることだけ に集中したような装いであり、「お姫様・お嬢様」への憧れや魅力を感じさせる服装でも ある。 コーディネートの特徴 服装 ロリータ・ファッションにおける基本の一枚はジャンパースカートであり、そこに丸襟ブ ラウスをあわせるのが定番コーディネートである。ジャンパースカートは、普通素肌に 直接纏わないで、他の衣類の上に重ね着するものである[91]。ロリータファッションに おけるブラウスの基本色は、白・黒・生成の三色である。ジャンパースカートのほかに もロリータ・ファッションではバッスルスカート、ギャザースカート、フレアスカートなど も用いられる。ロリータファッションは通販で購入する場合もあるが、ロリータファッ ションブランドの多くがワンサイズで展開しており、デザインがかわいくても自分のサ イズに合わないことがあるため、こうした店舗に通える人はまず実物を見てから、必 ず試着した方が良い[110]。基本的にロリータファッションは、ロリータブランドで全身を 統一した方が安定感がある[111]。パニエをスカートの下に履くと、普通のコートだとス カートが入らないことが多い。従って、冬場はロリータブランドで売られているコート を買うかどうか検討する必要も出てくる[111]。また『不思議の国のアリス』のアリスの イメージからドレスやスカートの上に���ねてはくエプロンスカートもロリータ・ファッ ションで用いられる。エプロンはコケティッシュでかわいらしい雰囲気が出るが、エプ ロンには強いヴィジュアル・イメージがあるため、アニメコスプレと間違えられやすい 難点がある[12]。 アンダーウエア スカートの下にはパニエを着用してボリュームを出し、さらにパニエによって膨らんだ スカートから下着が見えるのを防ぐためにドロワーズを穿く。なお、釣り鐘型のスカー トにパニエを履くと、スカートが常に上がった状態になってしまうことがある。ロリータ は盗撮に狙われやすく、駅の階段などで下から覗かれることもあるため、釣り鐘型の スカートの下にドロワーズとブルマは必ず履いておいた方がよい[12][112]。 パニエはロリータの必須アイテムであり、ロリータ系のスカートは裏地にチュールを 使い、ラインが拡がるデザインになっているものが多いが、絵本のお姫様のようにロ ココ調に膨らませるためにロリータが用いるのがパニエである[113]。パニエには様々 なボリュームのものがあり、長さ、色、デザインや素材なども多彩である[113]。しかし、 パニエを仕込んだスカートはかさばるため、電車の席に座ると隣の人に迷惑がか かってしまうという弱点がある[114]。パニエは普通スカートの下に一枚重ねるものだ が、慣れた人はデザインに合わせて何枚か重ね履きすることもある。初心者におすす めのパニエは、オーガンジーやシフォンのようなやわらかい素材でできたパニエで、 色は白が良いとのこと[115]。ドロワーズも同様に白が初心者向けである[116]。 ドロワーズはロリータの象徴的なアイテムである[102]。ドロワーズやパニエは下着とし て使用されるが、膝下丈のスカートのものならば外出時に、スカートの下に装着して、 裾からフリルの付いたドロワーズを覗かせるという使い方もある[117]。また、嶽本野ば らによればドロワーズの露出はお下劣にならず、クラシックな清楚さを感じるという [118]。ドロワーズの裾をスカートから見せて、ノスタルジックな雰囲気に浸るの���良い が、抵抗のある人はよく履くスカート丈に合わせて、ちょうどいい長さのものを選ぶと 良い[116]。 これら、スカートの丈は可愛らしさを出すため膝辺り(ミディスカート)まで がほとんどであるが、エレガントで大人びたイメージを出すロングスカートが選ば れ ることもある。また、嶽本野ばらはロリータスタイルに挑戦してみたいが、抵抗のある 大人の女性に向けて、コルセット・ドロワーズ・パニエなど、少しだけ ロリータなアイテ ムをワードローブに取り入れることを提案している[119]。 また、ミニ丈のスカートには、ドロワーズよりも丈が短めで、ウエストと裾口がゴムで 締められたブルマ(ロリータファッションにおけるブルマは、ドロワーズの丈をそのまま 短くしたような感じであり、いわゆる体操服のブルマより優雅で古典的なデザインを している)が向いている[116]。 ヘアスタイル 前髪はまっすぐに切りそろえられたものがロリータらしいヴィジュアル・イメージを作 るのに最も効果的であり、薄くて長い前髪よりも多めに作ったものの方が人気があ る。ヘアスタイルは、顔の横にかかる髪を、短くまっすぐに切りそろえた���トレートヘ アーの姫カットが、ロリータの間では定番化しており、またブロッキングした毛束を細 いヘアアイロンで巻いたゴージャスな縦ロールは、 ロリータのあこがれである。他に もカーリーヘアや、ウェービーヘア、三つ編み、または三つ編みを輪の形に整えたも の、ツイストヘアなどがある。ショートヘ アはあまりロリータには向いていないとされ るが、もしする場合は、やはりすいて軽くしたりせず、重いシルエットを作るようだ(し かし、ロリータはヘアスタ イルにおいても個人の好みが反映されるため、ゴシックや パンク寄りのスタイルを好むものの中には、ウルフやシャギーを取り入れランダムに 仕上げる人もいる ようである[12])。ウィッグはこれまで縦ロールのような再現が困難 な髪型や校則などで髪が染められないなどの理由で使われることが多かったが、近 年はよりコーディネートの完成度を高めるために使用する人が増えた。また頭には 大きなリボンのついたカチューシャやコーム、ヘッドドレス、ボンネット、ミニハット、ティ アラなどを着用する。 ロリータに人気の高い髪色は金髪(ブロンド)、黒髪(ブルネット)、茶髪(ブラウン)で ある[12]が、最近ではピンクや水色などインパクトの強い色も流行している。 足もと 靴下は、主にフリルやレース付きの長いハイソックス、オーバーニーソックス、アンクル ソックス(足首)、タイツを履く。ソックスは白、黒、横縞などの柄、アーガイルチェックな どの格子模様が多い。その下に履く靴はおでこ靴、ストラップシューズが基本である が、他にもウッドソールの厚底靴、バレリーナシューズ、レースアップブーツなどを履く。 夏の足もと ロ リータファッションではサンダルや素足はあまり好まれていない。理由はボリュームたっぷりの 装飾的な服に対して、足もとにだけ生々しい違和感が出て、涼し げというより「履き忘れた」よう に見えてしまうからだそうである。そのため「ロリータ衣装道楽」では「肌を出さない方法で夏らし い足もとに仕上げましょ う。」としている [12]。サンダルは統一感に欠けるが、どうしても素足にした い場合は「セカイと私とロリータファッション」では「洋服もサンドレス的な軽装にし、編み上げな どがあしらわれた可愛らしいミュールを合わせるとバランスよく上品にまとまる。」と書いている [111]。が、同書でインタビューを受けた他の愛好家が「ミュールは中途半端に見える」と言っている ため、ロリータファッション全体ではサンダルやミュールは嫌われている模様である[39]。 ロリータ・ファッションの種類 近 年、ロリータファッションは急速に一般への認知度を高めたと同時に、内部ではカ テゴリーの細分化が進み、愛好者の間でも定義づけが難しい状態になってい る。こ れについて「ロリータ衣装道楽」は「それは音楽のジャンルと同じであり、個人の主 観によって定義も変わる、つまり着る人の気持ちしだいとも言え る。」と書いている。 また、「ロリータ衣装道楽」はロリータのカテゴリーの意味や定義について「人によっ ては微妙な違いがわからず、自分のスタイルが思っ ているのと違うカテゴリーで形 容され、複雑な思いをすることも多いでしょう。また、カテゴリーの定義に忠実であろ うとして、コーディネートに頭を悩ませる 人もいるかも知れません。いずれにせよ、『自 分が好きと思える格好をすること』がロリータの真実ですから、あまり神経質になら ず、装いを純粋に楽しむことが大切です。」と述べている[12]。このファッションは現在、 着用する個人の嗜好に伴い細分化され変遷している。種類が拡散しているため、ロ リータ・ファッションの対象は膨大なものとなり、リストアップする意味も薄れている。 代表的な種類 甘ロリ (Sweet Lolita) お姫様のように甘くキュートなロリータファッションのことで、「かわいくあること」という王 道に徹底したスタイルである[12]。アマロリとも[120]。 アイテムのラインナップも赤やピンクな ど、カラフルで華やかなものが多い。「ロリータ衣装道楽」によれば、恐らくは「ゴスロリ」 のジャンルが誕生し、「ゴ スロリ」という言葉が一人歩きし始めた頃に、その対極にある スタイルを定義づけるために発生した言葉ではないか、と記述されている。甘ロリの中で もベース になっている色によって「白ロリ」「ピンクロリ」「黒ロリ」などに分けられる [121]。 つまり、ゴシックの要素のない白ロリ・黒ロリは、広義では甘ロリに含まれることになる [54] 。「 Angelic Pretty 」「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 」 [122] 「metamorphose temps de fille」などが代表的なブランドとされる。ロリータの基本形であるジャンパースカートにフ リルブラウスの典型的なロリータを「コテロリ」と呼ぶこともある[123]。 小説「下妻物語」の主人公もこの甘ロリである[124][91]。 ゴスロリ (Gothic and lolita) 「ゴシ���ク ・ アンド ・ ロリータ」の項も参照のこと。ゴスロリとはゴシックの要素を 取り込んだロリータファッションのこと。ゴシックロリータ[126]、ゴスロリ系、ゴ シック&ロリータ[127]とも。メインカラーは黒で、クロスやコウモリ、スカルなど の定番モチーフ、修道女やヴァンパイヤを思わせるデザインが多く見られるが、 チェリーなどの可愛らしいモチーフを取り入れた黒ロリに近いデザインのもの もあり、黒ロリとの境界線は曖昧である[123]。19 世紀イギリス風の様式美と 童話に内包される怪奇性を融合させる。退廃的かつ少女的なスタイル[127]。 元々西洋に存在していたゴシックファッションが日本のロックシーンに流れ込 み、聴衆である少女たちに消化されて生まれたスタイルとも考えられている [12]。「下妻物語」で桃子が着ているようなロマンチックなピンク色などの明る い色のドレスは、愛好者の間ではゴスロリとは呼ばれない[34]。 姫ロリ / 王子ロリ (Princess Lolita & Prince Lolita) 姫ロリとは、甘ロリをお姫様風にドレスアップしたロリータ[121]。 ギャルからの人気が高い[123]。しかしギャルのする姫ロリは露出度が高く、正 統派のロリータから嫌われていたり、反対している者も存在する。ギャルっぽ くならないためには露出度を減らし、髪を盛ってもあくまで上品に着こなし、 振る舞う必要がある。従って、素足などの露出はよくない[128]。 王子ロリとは、ボーイッシュに作られたロリータ・ファッションのこと。男性とい うよりも少年を意識したデザインである。 クラシカル系ロリータ (Classical Lolita) 単に「クラシカル系」ともいわれる。甘ロリよりも落ち着いた雰囲気のファッ ションであり、一般的に考えられているロリータファッションよりもシンプル。 1950 年代のお嬢さまのようなファッションを多少甘めにしたもの。フリルや レースは控えめで、スカート丈はひざ下が多い。代表ブランドは「Victorian Maiden」「juliette et Justine」「Mary Magdalene」「Innocent World」「Millefleurs」など。「エレガントロリータ」とも。 ロリータパンク (Lolita Punk) ロリパンとも。パンクファッションの意匠を取り入れたロリータ。フェミニンな中 にチェーン、安全ピン、スカルや囚人服のようなボーダーなど反社会的なイ メージのモチーフを取り入れたファッション。ライブなどで見かける。(2006 年 の時点)[121]。 代表ブランドは「MILK」と「Vivienne Westwood」である。「Vivienne Westwood」 はパンクバンド「セックス・ピストルズ」の衣装に端を発したパ ンクファッションを流行させたが、1980 年代中頃からそれまでのラディカル なパンク路線か らヴィクトリアンスタイルのウエストを極端に細くしたテー ラードジャケットや、コルセット、19 世紀中頃から後半に流行した釣鐘型のク リノリンスカートを ミニ丈に仕立てた「ミニクリニ」を発表するなどヨーロッパ の伝統美との融合を追求し始めた。日本には 1970 年代後半に上陸したが、 この流れはアイドル的 な可愛らしさの中にちょっぴり刺激的な要素を加えた 原宿のブランド「MILK」に似ており、この両者を皮切りにロリータパンクと呼 ばれるカテゴリーが確立した[121]。 ロリータパンクに取り入れられたのは、タ ターンチェックやジップ、安全ピンなどの王道モチーフで、メロコア層に愛好さ れたスケーターファッションは全く含 まれていない。また、ロリータ衣装道楽に よればロリータパンクは 1990 年代中期にメロディック・パンク、メロコアと呼 ばれる音楽ジャンルが登場し、パン クが再び脚光を浴びた際に、日本で ファッションとしての「ロリータパンク」が流行したことがあり、特に歌手の JUDY AND MARY はその象徴的存在であったという[12]。一般的に考えられ るロリータファッションのドレスアップとは対極にあるようなアイテムを取り入 れている[129]。 和ロリ 和装をロリータ風にアレンジしたレトロで耽美的なファッションスタイル[102]。 ナチュラルロリータ ナチュロリとも。ナチュラル系ファッションや森ガールファッションの意匠を取 り入れたロリータ。代表ブランドは「MiELette Tautou」。 ロリータファッションにおける色のバリエーション ロ リータファッションにおける色のバリエーションは多様にみえるが、定番色が存在し、紺色や黄 色などの服は個性的だが数が少なく、また純粋なロリータという 雰囲気は薄まるそうである。ロ リータでは白・黒・赤・ブラウン・サックス・ボルドー・ピンクが定番色として主に使用される[130]。 白ロリと黒ロリ ロリータファッションにおいて、重要な色は白と黒であり、白を基調にしたロ リータファッションを白ロリと呼ぶ。白が好まれるのはどんな色 と合わせても 相性がよく、きれいにまとまりやすいためである。そのため、白はベーシックな 色として扱われる。しかし、全身白のコーディネートは華やかにみ えるが、とて も目立つので TPO を考える必要があり、また、白い服は手入れも大変なよう である。白ロリは甘いながらも楚々として上品な雰囲気になる。生成 は漂白 していない糸や布による、黄色みを帯びた白のことだが、白よりも温かみがあ るため、アンティークな雰囲気をもった服とは好相性であり、白と違い、黒 と 合わせてもきつい印象にならない[130]。 一方、黒は白の対比として好まれるが、ただ着るだけでは陰気な感じになり、 きつく見え、さらには黒はゴシック風の着こなしを好む人間に愛されてお り、 ゴスロリと区別しがたく、ロリータファッションでは明るい印象の柔らかい色と の組み合わせや、軽やかさのある素材を選ぶことで甘い雰囲気を壊さないよ うにしているようである。なお、黒を基調にしたロリータファッションを黒ロリと 呼ぶが、黒ロリとゴスロリの違いはゴシックの要素を含んでいないという点で ある。しかし、「ロリータ衣装道楽」によると外見だけでは微妙な違いしかわか らないという。それでも、黒ロリという言葉には、「黒いけどゴスじゃない」と い う愛好家からの強いアイデンティティの主張が感じられるとも記述されており、 また、同じ甘いデザインでも、黒ロリには甘ロリにはない、シックでアンニュ イ な雰囲気があるという[130]。 サックスロリ サックスロリのサックスとは、春夏物のロリータ服によく見られる、はっきりとし た水色のことを言う。愛好家の中には、ディズニー版「不思議の国の アリス」 のような、サックスブルーのワンピースにボーダーのニーソックス、白いエプロ ンのコーディネートでアリス風にすることもある[130]。 ピンクロリ ピンクロリは、文字通りピンクのロリータのことを指すが、ロリータファッション ではペールピンクや、ベージュやグレーがかったピンクが好まれてお り、鮮や かなオペラピンクや青みを帯びた濃いピンク、白に近いピンクはギャル系の 服に多い色であり、下品に見えてしまう可能性があるという。ピンクは夢見 る ように甘く、ロマンチックな雰囲気で、心理学的にも女性らしさを高めてくれる 色であるが、コーディネートにおけるピンク色の選択はとても難しいもので、 ちょっとした違いで上品にも下品にもきまってしまいやすい[130]。 赤ロリとボルドー 赤ロリとは赤を基調にしたロリータのことであり、赤い色はロリータでは一年 を通して愛される色であるが、赤と似た色であるボルドーは秋冬物の差し 色 に使われる、熟成したワインのような赤紫色のことであり、甘くキュートな赤ロ リにはない、しっとりした重厚感とあでやかさがある。また、気高くも退廃的 な 妖婦(ヴァンプ)の色でもあり、赤よりもドレッシーに見えるが、一歩間違うと 安っぽく野暮にもなるという。なお、赤ロリは白ロリと同じく目立つ色である が、ロリータ衣装道楽では赤のイメージからか「自信をもって元気に着こなす ようにしましょう。」とのことである[130]。 ブラウン・紺色 秋冬になるとブラウンのロリータが売られるようになる。ブラウンはアンティー ク風やクラシック風のロリータ服に向いている。紺色は定番と呼べるほ どいつ でも出ている色ではないが、ロリータ衣装道楽によると金髪との相性がよく、 ぜひトライして欲しいオススメの色とのことである[130]。 靴の定番色 ロ リータファッションにおける靴の定番色は、服に比べるとさらに少なく、黒・ブラウ ン・赤・ピンク・白といった範囲のものがブランドでは主流である。中でも 黒と白は汎 用度が高く便利である(靴下も同様に、黒と白の汎用度が高い。)。靴の色は、服と同 じか似たような色か、または、服の中にポイントで使われてい る色と合わせるのが基 本である[12]。 ロリータファッションのコーディネートにおける色の基本 ・特 徴 ロリータファッションのコーディネートではあまり色を多用せず、同じ色か、一色の濃 淡(同系色)で全体をまとめるのが基本とされているようである[130]。ロリータ衣装道 楽では、そういった基本を破ることは悪いことではないと記述している一方、あまりア バンギャルドなことをするとロリータ度も薄まり、「かわいい」という大前提から逸れて しまえば、ロリータファッションではなくなってしまうとも記述されている[132]。そのため、 慣れるまではコンサバティブにしておく方が無難であるとしている[130]。 また、雑誌などでは、モードを意識してか破戒的なカラーコーディネートを見ることが あるが、グラビアは背景も合わせた 1つの「絵」として作られているものなので、日常 に応用するには難しいスタイルになっていることがほとんどなのだそうである[130]。 - ロリ 語尾にロリータのロリをつけたもので、主にロリータ・ファッションの内容だけではなく、 「ロリータ・ファッション」を着ている人間に対しての状態や蔑称として使われることが 多い。 双子ロリータ ロリータ友達(ロリ友)とおそろいのロリータ服を着て歩くことをいう。服は同じデザインで も色や小物が微妙に違う[133]。 休日ロリータ・週末ロリータ ロリータファッションを日常的に着ることができず、学校や仕事のお休みの日だけ楽 しんでいる人を「週末ロリータ」「休日ロリータ」と呼ぶことがある[12]。 ロリータらしいお部屋作り ロ リータファッションの愛好家は「お姫様のようなお部屋」に憧れている人がとても 多いが、ロリータに好まれる家具として大抵候補に上がるのは、甘ロリ風の明 るく キュートな雰囲気で、ピンク系を差し色に使った、白く塗られたかわいらしい家具か、 クラシカル風のシックな深いブラウンのアンティーク調の家具の 2種 類である[102]。 また、ロリータの憧れとして真っ先に挙げられるのは天蓋つきのベッドであるが、天蓋 つきのベッドはせまくて天井が低い部屋には圧迫感があり、思い通りにはいかないこ とがある。そのため、天井から吊り下げるタイプの簡易な天蓋が重宝されている[102]。 ほかにロリータに好まれやすい家具は、猫足のついたバスタブやチェア、デスク、ド レッサー、クローゼット、シャンデリア、燭台などの照明器具、フリ ルやレースのついた クッション、カーテン、薔薇などの花柄のシーツカバー、造花を使ったデコレーション、 人形、トルソーなどで、ロリータはキュートでポッ プなデザインのものや、エレガント��� 優雅なものを選ぶ傾向にあるようである[102]。 ロリータとガーリー ガーリー・ファッションとは少女らしさ、可愛らしさを甘すぎず、コケティッシュに、そして クールにアレンジするのがガーリースタイルである[134]。ガーリースタイルはチノパン に T シャツなどのカジュアルな組み合わせで、どちらかといえば少女の元気さと蓮っ 葉さを強調したコーディネートであり、上品な印象を受ける[134]。そのため、普段着と して無理がないものが多い。一方、ロリータは服全体にフリルやレースが多用され、 普段着としての実用性が低く、着る者にとってはお洒落でもあり正装でもあるが、傍 から見れば完全武装に映る[50]。そのため、ロリータには奇異の目が向けられることも あるが、ロリータファッションの愛好家はロリータの華やかな装飾に憧れているため、 カジュアルなものだけでは満足できないのである[14][50]。嶽本野ばら作品に登場する 服の大半は、ロリータもしくはガーリーに分類されるが[50]、 嶽本野ばらはガーリーと ロリータが別物であるという見方に納得ができないと「パッチワーク」に書いている。 理由は、インディーズ系のロリータブランドはマ イノリティであることを逆手にとって 台頭してくるが、MILK や Jane Marple はマイナーで顧客の限られているロリータブ ランドと一���にされたくないという意味もあって、1998 年頃ロリータと呼ばれるのを 拒否するよう になったためである。MILK や Jane Marple はガーリースタイルにカ テゴライズされたがっているが、嶽本野ばらには MILK や Jane Marple がガーリー であるとは思えず、デザイナー中野裕通の「ガーリーってロリータと同じだと思うんで すよ。男の側から見たらロリータで、女のコから見ればそれはガーリー。」というコメン トに同意している[135]。 また、ロリータファッションを着る人たちの多くは、できれば好きなお洋服を、学校や職 場にも着ていけたらと考えている。しかし、TPO を初めとする 様々な事情でそれはな かなか実現せず、ロリータファッションは主に休日の装いにとどまっている。こういっ た部分に潜在的な需要を見出し、カジュアルライン のアイテムを発表するロリータ ファッションブランドもある[14]。 関連項目 関連人物 著名なロリータファッションの愛好家  青木美沙子 o モデル。ファッション雑誌 KERA などでロリータ・ファッションモデルと して活躍。2009 年に外務省よりカワイイ大使に任命され海外にロ リータ・ファッションを広める活動もしている。2013 年 2 月には「日本 ロリータ協会」を設立し、海外への情報発信の基地を得た[88]。  雨宮処凛 o 1998 年に愛国パンクバンド「維新赤誠塾」を結成、パンク歌手兼右 翼活動家として行動し「ミニスカ右翼」として知られる。少女時代にい じめに遭 い、不登校や家出、リストカット、自殺未遂を経験している。 現在はゴシックロリータやロリータファッションに身を固めて「ゴスロリ 作家」と名乗っている[136]。彼女の著作はファッションについて論じた ものは少なく、嶽本野ばらのような洋服の意匠や洋服と人との関係よ りも、若者の鬱により重点を置いている[137]。  北出菜奈 o 歌手。デビュー当初は女子高生ロックシンガー路線で売り出していた が、昨今では元々好きだったロリータ・ファッションを前面に押し出し、 ロリータ愛好者からの支持も受けている。また、ファッション雑誌 KERA でもモデル・コラムにて活躍、パリで開催されたイベント Japan Expo への参加等、その活動は多岐に渡る。  黒色すみれ o ゆかとさちの女性 2 人から成る日本の歌手デュオである。クラシック・ ロリータ・ユニット。特にさちは愛らしいルックスからロリータファッショ ンの愛好家からの人気が高い。「ロリータ衣装道楽」においてモデル として参加協力している[12]。  宝野アリカ o ALI PROJECT のボーカル。十代の頃からピンクハウス、手作りのロ リータ・ファッションやゴシック ・ アンド ・ ロリータを愛好しており、現在の 歌手活動の際もジャケット撮影やライブでロリータ・ファッションなどを 着ておりこれが高じて、自身がデザインを手がけるブランド「少女貴 族」を設立する。  嶽本野ばら o ロリータファッションに関して思い浮かべるであろう書き手であり、 1990 年代から関西のミニコミ誌でエッセイなどを発表、2000 年に 「ミシ ン」で小説家デビューする。「エミリー」「下妻物語」「デウスの棄 て児」などの小説のほか、「恋愛の国のアリス」「それいぬ」な���のエッ セイも手掛ける[138]。 嶽本野ばらは「乙女」という独自の言葉を用いて おり、彼のテキストの読み手はロリータファッションユーザーに留まら ない一方、彼の著作「下妻物語」が映像 メディアにおいて大々的にロ リータファッションの知名度を高めたことや、ロリータファッションが流 行として扱われることへの懸念から、彼を嫌悪しているロ リータファッ ションユーザーも多い[139]。  田村ゆかり o 声優。ロリータ・ファッションの愛好家である。性格や服装の趣味もコ テコテしすぎていない甘ロリや、クラシカル系を好んで着用しており、 落ち着いている。  戸川純 o 嶽本野ばらが「Gothic & Lolita Bible vol.1」にて「元祖ロリータ」 として名前を挙げている[62]。1980 年代に活躍したアーティストであり、 女優・歌手。豊かなビブラードとロリータボイス、ずば抜けた歌唱力を 持っていた。初期のソロライブではロリータ・ファッションを衣装に使っ ており、他に高級娼婦や、天使や女神などの神話的モチーフを思わせ る衣装を纏い、あらゆる形の女性像を自在に演じていた。自身のバン ドの一つ「ヤプーズ」では「ロリータ 108 号」「それいけロリータ危機 一髪」といったロリータ(少女性)を題材にした楽曲も製作している [140]。  春奈るな o 歌手、モデル。普段からロリ���タ・ファッションを好んで着用しており、 歌手デビューをする前から読者モデルとして活躍していた[141]。これは 高校生のときに表参道をロリータ・ファッションで歩いていた際に ファッション雑誌『KERA』のスナップ隊に声をかけられたのがきっか けだったという[142]。  ロリィタ族。 o タレント、別名「ZOXYDOLL」。  ロビンちゃん(ロリータタレント) o ロリータファッションでクラブに通ううちに世間から注目され、「浅草橋 ヤング洋品店」などの TV に出演[86][143]。そのファッションがロボコン に出てくる美少女ロボット「ロビン」に似ているというのでこの名前が 付いた[144]。1990 年代前半のロリータファッションユーザーに人気の あったブランド・メイドレーンレビューの服を着て、メディアを賑わせた [145]。  上坂すみれ o 声優。 着ると自分が強くなった気がする『装甲』と称し、アイデンティ ティの確立として中学生からロリータファッションを愛好して���る。以 降、日常生活からすでに 卒業した大学への通学時、仕事場やイベン ト出演時などで広く着用し、特に毎週放送されていた動画生放送で は、自前のラインナップで視聴者を楽しませてい た。発信先は日本に 留まらず、J-FEST への出演を機にモスクワを訪れた際には、現地のロ リータファッション愛好家達とのお茶会にも参加している。 「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」を愛用する事が多い。 ロリータファッションを作中に登場させている漫画家 作者が実際に愛好しているかどうかにかかわらず、ロリータファッションの登場人物 を描き、愛好家に影響を与えた漫画家。  楠本まき o ゴシックロリータの登場よりも以前から、独特の耽美的な絵柄と 「Kiss xxxx」に代表される対照的なほのぼのとしたストーリーで、ロ リータテイスト、ゴシックテイストを愛するファンに熱狂的に愛されてき た。彼女の作風から は 1980 年代後半から 90 年代前半のロック ファンの少女の心境も味わえる。最近の作品は、フェティッシュな絵柄 とカルトムービーのような表現が印象的[137]。  矢沢あい o 「NANA」「ご近所物語」「Paradise Kiss」にパンクスタイルやロリー タファッションを描いている。「NANA」の美里など、「ご近所物語」の 頃から登場人物のファッションスタイルにロ リータスタイルを取り入れ ている。ゴシックロリータの精神性に重点を置いている三原ミツカズと 比べると矢沢あいの視点は、圧倒的にファッションとしてのロ リータに 置かれており、矢沢あいはゴシックやロリータの精神論には興味がな く、ファッションに夢中な少女たちへの眼差しの中にロリータファッショ ンの少女 たちも点描されており、違ったファッションを選びながらも、 同じ葛藤に揺れる同世代の女性に共振している様な描写が多い [146]。「Fetish」において、嶽本野ばらと対談した[147]。  三原ミツカズ o 嶽本野ばらや mana と並ぶゴシックロリータ文化のリーダー的存在 であり、野ばらが乙女をテーマとした「ロリータ文化」を代表する存在 なら、三原 は「ゴシックロリータ」のイメージに強く影響を与えた漫画 家である。三原の作品は特に洋服を緻密に描き���んだファッショナブ ルな絵柄が印象的で、そのス トーリーから社会派と捉えられている [148]。ロリータよりもゴシックアンドロリータのイメージの強い漫画家で はあるが、画集「chocolate」ではゴシック要素のないロリィタも描い ている[149]。

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